皆さんこんにちは、お久しぶりの宮地です。
気が付いたら12月、あと1か月もすれば2025年になります。
この1年、色々な案件に関わらせていただきましたが、やはりオンプレミスからクラウドへのリフトアップの話が2023年よりも増えた実感があります。
弊社ではクラウドリフトアップ時の構成検討から携わらせてもらっていますが、クラウド移行する際、Oracleライセンス料がネックとなるケースが結構ありました。
ということで、今回は「Oracle Databaseのライセンスの最適化」という観点でお話しします。
【前提】
・脱Oracle、ではなく「Oracle Databaseが大好き!」「作りこみすぎて脱Oracleできない」等の理由で今後もOracle Databaseを使い続ける方向けです(脱Exadataや既にクラウドリフトアップ済みのケースは対象外です)
・Oracle DatabaseのライセンスはProcessor Licenseとします
【注意】
ライセンスの取り扱いや条件はお客様ごと/契約ごとに条件が異なる事があります。
本記事では一般的に考えられるケースのご紹介をしますが、具体的な金額等については、日本オラクルの営業担当にお問い合わせください。
【Oracle Databaseライセンスの最適化!?】
現在オンプレミスでの構成パターンとして考えられるのは、大きく
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1.オンプレミスExadata
2.オンプレミスOracle Database on 物理サーバ
3.オンプレミスOracle Database on プライベートクラウド
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の3パターンになります。
それぞれのパターンについて、どのようになるのかを見ていきましょう。
1. オンプレミスExadata
移行時のオプションは2つ
1-1. オンプレミスExadata
Exadataのスペック変更等の有無によりライセンス料は変わりますが、基本的には現在のライセンスと同等
1-2. クラウドリフトアップ
Oracle Cloud InfrastructureのExadata Database Serviceや、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudで提供されるサービスを利用することでライセンス等のコストの最適化が可能
・Oracle Database@AWS
・Oracle Database Service for Azure
・Oracle Database@Google Cloud
2.オンプレミスOracle Database on 物理サーバ
移行時のオプションは2つ
2-1. オンプレミスで使い続ける
DBサーバのCPUコアを増やさなければ基本的には現在のライセンスと同等
2-2. クラウドリフトアップ
2-2-1. Oracle Cloud Infrastructure:Base Database Service か 仮想サーバに構築
2-2-2. AWS、Microsoft Azure、Google Cloud:仮想サーバに構築
2-2-3. AWS:RDS for Oracleを利用
いずれのケースにおいても、オンプレの物理コア数=仮想コア数とした場合、現在のライセンスと同等
3.オンプレミスOracle Database on プライベートクラウド
VMWare等を使用したプライベートクラウド環境では、参加している全サーバの全CPU物理コアが、ライセンスの対象となります。
※実際に利用しているコア数よりも多くライセンス料を支払っている可能性があります
下記図の場合、実際のOracleデータベースサーバは12vCPUしか使用していないにもかかわらず、VMWare環境を構成する16コアのサーバ3台分の合計48コアがライセンスの適用対象となってしまいます。(理論上、すべてのサーバ/コアで稼働する可能性があるため)
3-1. プライベートクラウドで使い続ける
プライベートクラウド環境をOracle Linux KVM環境に変更することで、実際のDBサーバに割り当てられた仮想コア数のみをライセンス適用対象とすることができます。場合によっては大幅なライセンスコストの節約が可能です。
Oracle Linux KVMの仮想化では、「ハードパーティショニング」が利用でき、物理的にどのサーバのどのコアで当該仮想サーバを動かすのか、を固定できます。そのため、DBサーバが使わないコアはライセンス適用対象外となるのです。
【参考】Oracleパーティショニングポリシー
https://www.oracle.com/a/ocom/docs/partitioning-jp-168078-ja.pdf
とはいえ、これまで運用してきたVMWareやMicrosoft Hyper-V等をごっそりとOracle Linux KVMに変更するのは運用・監視、パフォーマンス等々の観点から、現実的ではありません。
まずは、データベースサーバ用途のみでOracle Linux KVM環境の運用を始め、慣れてきたら徐々に他のサーバの運用も乗り換えていく、という切り替え方がおすすめです。
3-2. クラウドリフトアップ
オンプレミスOracle Database on 物理サーバの場合と同じで、実際に使用する仮想コア数に対してライセンスが適用されます。そのため、場合によっては大幅なライセンスコストの節約が可能となります。
それぞれ、ライセンス費用以外にも移行関連の様々なタスク(と諸費用)が必要となるので、総コストでの判断がキモとなります。
もっと詳しく話を聞きたい、とか、ウチの場合の推奨を教えてほしい、といったご要望がありましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
以下のページも参考にしてもらえればと思います。
仮想環境でのOracleライセンス違反を解決するための黄金ルール
今回は以上となります。