前回の記事でも取り上げましたが、日本は世界幸福度報告書における幸福度ランキングで137カ国中51位という低い順位なのだそうです。その一方で、2023年の日本人の平均寿命は女性が87.14歳、男性が81.09歳で、前年よりも2週間程度長くなっているそうです。平均寿命の国別順位では、女性はなんと39年連続世界1位で、男性は世界5位だそうです。幸福度ランキングではあまり高い順位ではありませんが、平均寿命は最も長い国といえます。
世界幸福度報告は、幸福度を「生活評価」と「感情」を指標として測定しており、寿命は含まれていません。ただ主観的幸福の指標の一つに健康寿命があり、この項目では日本は141カ国中で1位だそうです。健康寿命が最も長いのは少し意外でした。
最近の長寿研究によると、老化は病気であり、治すことができるものなのだそうです。不可逆と思っていた老化を、遅らせるのではなく若返らせることができるというのは、衝撃的な情報です。
老化の原因は色々と学説があるようですが、突然変異の蓄積が原因とする「突然変異説」、体内で発生した活性酸素が原因とする「活性酸素説」、染色体の末端にあるテロメアが短くなることが原因とする「テロメア短縮説」などがあるようです。難しいことは専門外の私にはわかりませんが、そろそろアンチエイジングを考えなければと思っていたところなので興味深い研究です。
また、人によって同じ1年の間に進む老化には差があると書いてあるサイトもありました。1年間で肉体的には0.4歳しか老化しない人もいれば、2.4歳老化する人もいるという研究結果があるそうで、老化のペースは人によってバラツキがあるようです。1年で2歳も差が付くとすれば、これは大きな違いですね。なぜこんなに差が生まれるのかが解明されると、老化のスピードをコントロールすることもできるのかもしれません。
老化のペースに差が付く原因は、今後細胞レベルの研究で明らかになってくると思いますが、私は生物化学的な要因とは別に、老化には気持ちの持ち方も影響するような気がしています。前回の記事で書いたウェルビーイングであることは、長生きにも繋がるに違いありません。肉体的、精神的、社会的なすべての面において満たされた状態が「Happy」だとすると、肉体(細胞)的にだけではなく精神的にも満たされている必要がありますね。
老化の研究や遺伝子組み換えなど、人間が長い歴史のなかでも踏み込んでこれなかった領域に光が見えてきたのは興味深いことです。神の領域と言う人もいますが、この研究が日本の少子高齢化問題の解決にも役立ってくれることを祈っています。