2024年がスタートしました。
今年は、元旦から能登地震災害や羽田航空機事故と波乱の年始となりました。被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げますとともに、迅速な復興をお祈りいたします。
さて、皆さまの2023年は、どうでしたか?
私個人では、人身事故にあったり、クルマをぶつけられたり、家電製品が次々と壊れたりと、あまり良い年とはいきませんでした。しかし、コロナ禍の中でも、好きなゴルフに何度も行くことはできたので悪いことばかりではなかったと思います。
悪い事は、続かない!この先は、良い年になると信じています。
2023年のゴルフ活動を振り返ってみると、原点に戻った年だった気がします。私自身はスコア100を切れるくらいの中級ゴルファーなのですが、もう20年以上もやっているにも関わらずスコアは上がったり下がったりを繰り返して、調子良くスコアが縮まることはこの10年くらいありませんでした。
しかし、昨年は色々と自分の中で新しい発見がありました。
・手ではなく身体で振る
・スイングでは脇を締める
・パターを打つ時は手首を固定し、パターヘッドのセンターで打つ
など、ゴルフを始めた頃から何度も言われてきたような「当たり前」のことを当たり前にやることが大事だったんだと、改めて気づくことができました。そしてそれをきっかけに、長らく停滞していたスコアが向上しました。なぜ、こんな初歩的なことに今更気づくのかと思いますが、長年やっていると忘れてしまうんですね。
どんなに長くやっていることでも、再び基本に戻るのは本当に大事だと強く認識しました。トッププロゴルファーでも、コーチを付けて見てもらっている人は多いですよね。その理由の一つに、いつでも基本に立ち戻れるように、ということがあるのではないでしょうか。
仕事でも最近、基本的なことができていない人が増えているように感じます。私は日立製作所に新卒で入り、議事録の書き方や資料の作成方法、承認の取り方などを徹底的に叩き込まれました。その頃の日立では、年に1回事務競技会という試験を全員受けて成績優秀者は表彰される制度がありました。どんな試験かというと、シャープペンシルの芯を何ミリ出すのが正解かとか、効率の良いコピーの仕方とか、今では笑い話になるような問題に真摯に取り組んでいました。しかしその中には、ドキュメントは1枚にまとめたほうが良いとか、資料の記述では項番を付けたほうが分かりやすいといった、今でも心がけているものも数多くありました。
現在ではこんなに長期の教育期間が取れる企業は少ないと思いますが、当時の日立では入社後の2年間くらいは仕事よりも学習のための期間になっていました。工場の消防団の訓練や社内運動会の応援団など、おおよそ業務には関係がないように思えることに多くの時間を割いていました。しかし思い返してみると、ここで身に着けたスキルが今に至るまで自分を支えてくれていることに気が付きました。
社内運動会の運営では、各部署にお手伝いの人を出してもらうように目上の人と交渉したり、運動会の練習のために場所や時間、人の確保を調整したりするなど、新人がやるには敷居の高いことばかりでした。しかし、この調整を社内でできるようになるとその後の仕事もスムーズに進めることができるようになっていくのです。それは、単に顔見知りになるということだけではなく、様々な部署の色々なポジションの方々の意向を組みながら気持ちよく協力してもらうやり方が自然と身についていたからです。
私が新人の頃、こんなことがありました。社内のある方に仕事をお願いしたところ、「いつまでにやれば良いのか?」と尋ねられました。私が「なるべく早くお願いします」と答えたところ、1週間待っても実行してくれませんでした。そこで、「“なるべく早く”とお願いしたのですが」と抗議すると、「俺のなるべく早くは、1週間だ」と言われ、落ち込みました。明確に「いつまでに」とお願いしないと、自分の希望通りには実行されないのだと身にしみて理解できました。
このように、私の仕事の進め方に関するスキルは、日立の2年間で経験した一見仕事とは関係なさそうな出来事から身につけることができたと今でも思います。
今年は、仕事もゴルフと同様に「基本」に立ち返って進めていきたいと思います。