MotoGPの史上最高速が記録されました

今回は、私の大好きなバイクネタです。
今年、2輪ロードレースの最高峰であるMotoGPで最高速が更新されました。
新たに記録されたMotoGPの史上最高速は、366.1km/h。イタリアのムジェ・サーキットで1km以上のメインストレートで記録されました。366.1km/hという最高速は、これまでの記録(363.6km/h)を3km/h近く更新するものです。
このスピード感の身近な例として、東北新幹線の最高速が320km/hで、4輪の最高峰であるF1マシンでは、レッドブルが326.9km/hです。新幹線やF1マシンよりも40km/h以上速いマシンを(ヘルメットを被りながらですが)身体でダイレクトに風を受けて操っているのは、本当に驚異的です。日本国内でも、2019年に一部の高速道路で最高速度が120km/hに引き上げられたが、クルマで120km/hの走行とバイクの120km/hは、感じ方が全く異なります。100km/hでもクルマの窓を開けるとものすごい風圧を感じることができますよね。バイクでは、この風圧を身体で受け止めることになります。
空気抵抗は,物体が空気中に進むときに空気分子に衝突することによって生じる力です。物体の速さVが大きいほど多くの空気分子と衝突するので、空気抵抗の大きさFは,速さVの2乗に比例することになります。
空気抵抗は、以下の式で求めることができます。

空気抵抗(F) = 空気密度 × 前面投影面積(A) × 速度(V)の2乗 × 空気抵抗係数(Cd)

空気抵抗係数Cdは車両の形状で決まる係数で、前面投影面積(A)は車両を真正面から見たときの面積です。空気抵抗は、空気が流れやすいような形ですと低くなって、例えば飛行機の翼のCd値は0.1程度で一般のクルマは0.25~0.4だそうです。
バイクは、前後の長さに対して高さや幅が短くて突起している部分が多いので、Cdはクルマの約2倍の0.6~0.9程度になるそうです。前面投影面積(A)は、ライダーの身体を含んだ面積になりますがクルマの1/3くらいのようです。

とあるサイトで日産自動車のスカイラインGT-Rの空気抵抗を計算していましたが、時速100km/hで28kgfだそうです。kgfという単位はわかりにくいですが、例えば60kgの物体にかかる力(重力)が60kgfです。台車のキャスターなどで、カタログの耐荷重が60kgの場合、重量が60kgまでの物体を載せても耐えることができるという数値になります。
GT-Rは28kgfということは、28kgのものが進行方向から乗っているような感じでしょうか。凄い抵抗ですよね?速度が300km/hになると、速度の2乗で空気抵抗がさらに大きくなるので、254kgfでとてつもない抵抗となります。

これをバイクに置き換えて計算してみると、空気抵抗係数(Cd)が2倍で全面投影面積(A)が1/3とすれば、ざっくりですがGT-Rの空気抵抗の2/3になりますので約170kgfとなります。
いやー凄い抵抗です。120km/hでもうっかり身体を起こして顔を上げてしまうと首から持って行かれそうな感じがしますが、その3倍の360km/hは、想像もできません。
MotoGPのバイクでは、2016年頃からウイングレットという羽根がカウルに取り付けられていますが、これだけの抵抗を低減するという意味では、納得ですね。

[引用]
https://vehicle-cafeteria.com/T17TorqueHorsePower6.html

ホンダのRC213Vのマルク・マルケス車でフロントに羽根が生えているのが良くわかります。
MotoGPの史上最高速は、366.1km/hを記録したKTMのブラッド・ビンダー車

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