2023年2月8日、Insight Governorがリリースされました。
記者会見でメディア発表も行いました。
なぜ、今インサイトテクノロジーがこのようなプロダクトをリリースするのでしょうか?
弊社では、PISOというデータベースのアクセス監査を行うプロダクトを2004年にリリースし、現在に至るまでメガバンクを初めとする金融、流通、政府系システムにも多く導入されてきました。このようなデータベースのセキュリティに投資を行うのは、エンタープライズ企業で情報漏えいなどに対して大きなリスクを感じている企業に限定されていました。しかし、皆さんも感じられているように、情報漏えいというリスク管理だけでなく、近年指数的に増加しているデータを、ビジネスに活用したいというニーズが大きくなってきています。「データを守るだけでなく活用する」という一見矛盾するような課題が企業に突きつけられています。
まず、守るという観点では、PISOをリリースした2004年と比較すると大きく個人情報保護の各国の規制は変化しました。世界中で2018年EUで制定されたGDPR(EU一般データ保護規則)、2020年米国のCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)、2021年中国版個人情報保護法など、個人情報保護に関する法令が次々と制定され、情報漏えい時の制裁金も数百億という莫大な金額が課せられる事例が多く発生しています。日本でも、2005年に制定された個人情報保護法が2022年改正個人情報保護法として新しくなり、グローバルスタンダートに近づいています。しかし、制裁金という観点では、日本は未だに最大1億円となっており他国に比較すると少額になります。今後は他国に追随することになるのではないでしょうか。また、これらの法律では、漏えい時の報告についても1週間程度での漏えい情報や件数などの報告義務が課されており、非常に厳しくなっています。
一方、活用するという観点でも、大量に発生し、蓄積されているデータをいかに活用するかが企業の事業存続にも関わると言われるほど重要な事項になっています。しかしながら、データ量が2000年時の6500倍になり、常に増加している中、どのようなデータを守り、活用すべきかを判断することは、至難の技です。また、データの在処もオンプレやクラウドまたSNSと多岐にわたっています。
今回、弊社がリリースするInsight Governorは、このような背景から必要となるソリューションを統合インフラとして提供するものです。この製品のキーとなる機能のひとつが、AIにより個人情報などの機密性の高いデータを見つけ出すことにあります。企業が管理する膨大なデータの中に含まれる機密性の高いデータをAIにより自動で見つけ出し、そのデータ種別などの「タグ付け」、「アクセス監査」、「マスキング」などの機能を提供します。日本は、法令も含めてデータに関する「ガバナンス」が遅れているように感じていますが、データを守り、活用するためにこのようなソリューションをエンタープライズ企業だけでなく、より多くの一般企業でも使っていただき、役立てていただきたいと考えております。SaaS形式でも提供致しますので、是非試していただきたいと思います。
Insight Governorに関して詳しく知りたい方はこちら:
https://www.insight-tec.com/brand/insight-governor/
Insight Governorのニュースリリース:
https://www.insight-tec.com/news/press/20230208_insight_governor/