今回は、弊社取扱製品の10年に渡る歴史をご紹介します。
インサイトテクノロジーでは、設立当初より自社でプロダクトを企画・開発し、お客さま提供してきましたが、2012年に海外のプロダクトを総代理店として引き受けることとなりました。
それがATTUNITY Replicate(現在のQlik Data Integration)です。名前の通り、データベースのデータ同期を行うプロダクトです。
このプロダクトの凄いところは、OracleとSQL Server、メインフレームのDB2とSybaseといったように、データベースの種別を問わず同期ができるところです。データベースの技術者として仕事をしていた私にとっても、「なんでこんなことができるんだ?!」と驚きました。
しかし、良く調べてみると、今まで知らなかったデータベースの機能を上手く利用して異種データベース間の同期を実現していることがわかり、「これはおもしろいプロダクトだ!」と感激しました。
現在であれば、「DX」で利用価値が非常に高いと多くの方々に認識いただけると思いますが、2012年当時、このプロダクトは日本でほぼ利用されていませんでした。
しかし、資料によると「世界65ヶ国で2,000社以上の顧客。Fortune100のうち半数が使用」とあります。その用途は「リアルタイムにデータ分析基盤にデータを連携する」ことでした。
2012年から取扱製品としてお客様へ説明に回りましたが、
「凄い製品だね」とほぼ全てのお客様からご評価いただく(いいね!ボタンは押してもらえる)一方で、ある大手企業の方から「これは、何に使うの?」と我々が考えていたデータ分析基盤で使うまでには至りませんでした。
それはなぜか?
当時、多くの日本企業では、データ分析は週に1回経営者向けのレポート作成のみでした。データは夜間バッチでコピーしてくるため、リアルタイムでのデータ分析は「不要」という判断でした。アジアの国々でもリアルタイムにデータ分析が行われているのに…。
このようなやりとりが続き、取扱から3〜4年はOracleとOracleの同期だけで数件売れるという期間が長く続きました。
ところが、2021年現在この製品は多くの引き合いをいただき、エンタープライズ企業様で採用が進んでいます。
それはなぜか?
DX、IoT、Cloudといった言葉が世の中で語られるようになって、従来のシステムだけでなくIoT機器やSNSから生成されたデータが、オンプレミスやクラウドといった場所で色々な管理基盤(Oracle,Hadoop,S3など)に散在するようになりました。また、データも鮮度の高いライブデータが重要視されるようになりました。
これは、IoTやSNSのデータを夜間バッチで収集して次の日に使っても高い価値を得ることができないからです。
ATTUNITY(Qlik DI)は、このような用途に適していたということです。
DX(データ活用)という観点では、日本はアジアの国々と比較しても大きく遅れていると感じます。
弊社も以前は、「高速にデータ検索できる(パフォーマンスが良い)」ことを重視してお客様に説明してきましたが、今後は「いかにデータを活用できるか(Insightを見つけることができるか)」という観点で、ビジネスを拡げなければならないと考えています。